インタビュー一覧

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著者インタビュー


『士業再生 - 士業が変われば、日本が変わる。』

反町勝夫 氏

新刊紹介

弁護士、公認会計士、司法書士……「士(サムライ)」とも呼ばれる士業者たちの世界が大きく変わり始めている。裁判員制度の開始などで士業への関心が高まっている今、多くの士業者を育ててきたLECの反町勝夫氏が「士業制度」「士業のありかた」を改めて説いたのが書籍『士業再生』である。この本を通じて反町氏が伝えたかったこととはなにか。詳しく話を伺った。


日本経済も士業界も今こそが崩壊と再生の時

まずはこの本をお書きになろうと決めたきっかけから教えてください。

反町氏(以下、反町) 大不況が起こした激震もそろそろ落ち着きを取り戻し始めています。ただ、日本が現在行なっている対策は、緊急避難的なものです。早晩やってくる息切れの前に本格的な経済回復の処方箋を描かなくてはいけません。経済の成長率を維持しつつ、失業者を減少させるにはどうしたらよいのか。この難しい課題に対して、これまでの経験を踏まえた私見を述べたいと思いました。

その経済回復の中核を担うのが士業者たちだというわけですね?

反町 ええ、そうです。日本経済が激動の時を迎えているように、士業界もまた大きな変動の波に見舞われています。高所得の弁護士グループがいる一方で、年収150万円ほどの弁護士もいるというのが士業界の現状です。士業者たちが意識を変えて経済活動に貢献していくことで、日本経済も士業も再生できるのではないかと私は考えています。

意識を変えて、とはどういうことでしょうか。今まで士業者たちは経済活動には貢献してこなかったということですか?

反町 弁護士は在野法曹として「国民の代理人」という立場で闘ってきました。活動の中核が「基本的人権の擁護」にあったため、国民の豊かさを生み出す分野から遠い「権威」にとどまってしまっていたのです。また、弁護士以外の士業は行政側のお手伝いをしてきたので、これまた豊かさを生み出す分野からは遠ざかっていました。つまり、日本の士業は正面からGDPを生み出す手助けをしたことがないのです。


士業者よ、立ち上がれ。日本の変革はサムライの使命

具体的にはどのように士業者がGDPに貢献していけばよいのでしょうか。

反町 BRICsをはじめとした低開発国が市場で競争力をもってきていますから、日本はこれまでのように輸出で稼ぐことはできないと思います。これからは知的産業を中心に内需を振興していくことが肝要です。この知的産業を担うのが知的労働者であり、士業に携わる資格取得者ではないでしょうか。

それは士業者が企業内に入っていくべきだということですか?

反町 ええ、政府の予算を支える源泉は企業が生み出す付加価値にしかありません。製造業、非製造業、サービス業のすべてにわたって士業者たちが就職し、労働生産性とTFP(全要素生産性)の向上を担ってほしいというのが私の提案です。

生産性の担い手としてGDPに貢献する、というわけですね。

反町 それが日本と士業を再生させる道だと思います。今こそ士業者が立ち上がるべき時がきたのではないでしょうか。知財立国ニッポンを高い志で支えてほしいですね。

反町勝夫(そりまち・かつお)

弁護士・弁理士・税理士・会計士補・社会保険労務士
株式会社東京リーガルマインド代表取締役社長、LEC大学学長
1940年群馬県生まれ。
東京大学経済学部卒業。株式会社電通勤務を経て、公認会計士第二次試験合格・司法試験合格。
1979年株式会社東京リーガルマインド(LEC)を創立。
2004年4月、日本初の株式会社立大学「LEC東京リーガルマインド大学」創立。資格試験指導を通じて開発した経済学・経営学・会計学の論理体系思考を法律分野に導入し、まったく新しい実務法律体系(LEC体系)を創造する。士業を横断的に理解し、司法試験など20種以上の資格試験の受験指導に携わっている。