インタビュー一覧

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著者インタビュー


『崖っぷち投資家ボコられ経営塾』

株式会社マネーパートナーズ 代表取締役社長 奥山泰全 氏

新刊紹介

「伝説の投資家」奥山泰全氏。
3億もの負債を抱えていた株式会社マネーパートナーズを一年で上場させた男である。
個人投資家として、またトップ経営者として、歩んできた道は、決して平坦なものではなかった。
株式会社マネーパートナーズの軌跡と今後の展望、またFX業界にかける思いを、奥山氏に伺った。


人は「崖っぷち」に立ってこそ、本来の力を発揮できる。

まずは、この本の出版を考えられたきっかけを教えてください。

奥山氏(以下、奥山) 日本はいまだにお金に対する偏見が根強くて、「資産運用」と「投機」の違いすら曖昧な方がいらっしゃるような状況です。経営にスキルが必要なように、「お金」を動かすのにもスキルが必要です。そのスキルを紹介することで、少しでも読者のみなさんの生活がより豊かで素晴らしいものになるように、という思いで書きました。

この本は、ほぼ奥山さんの体験をもとにした実話ということですが、借金を抱えてベランダにぶら下がった、というのも事実ですか?

奥山 もちろん実話です。投資に失敗し、億を超える借金を抱えたことがありました。もうダメだ、自分には生きる価値なんてない、とベランダの手すりにぶら下がりました。まさに崖っぷちです。でも、その崖っぷちでこそ、人間は自分が持っている本当の力を出せるんだ、ということを知りました。追い込まれた崖が深ければ深いほど、人間はそれをチャンスにしてレベルアップすることもできるのだと思います。

なるほど、タイトルの「崖っぷち投資家」はそこからきているのですね。 その後、個人投資家としては、5億の収益を叩き出し、さらにマネーパートナーズの代表取締役に就任されるわけですが、そこには迷いはなかったのですか?

奥山 迷いや葛藤だらけでしたよ。当時は、自分でシステム会社かマーケティングの会社を立ち上げようと思っていたんです。自分では、上場企業の社長というよりは、小さなビジネスをいくつも立ち上げる、ベンチャー企業立ち上げ屋のような分野の方が力を発揮できると思っています。そのときに、偶然、マネーパートナーズという会社にお誘いいただき、2006年7月にマネーパートナーズに顧問として着任しました。結局、困っているのを放っておけない性分なんですよね。

そして、赤字だったマネーパートナーズを、1年で上場させたわけですが、それは、どうやって成し遂げられたのでしょう?

奥山 私が着任したとき、マネーパートナーズは3億円の累積赤字があり、さらに毎月数千万円の赤字が続いている状況でした。私がまずやったのは、広告宣伝費の全面カットです。新規の見込み客を集めるよりも、既存のお客さまを大切にして、今のお客さまに喜んでいただけることに注力したんです。これで、毎月発生していた赤字がほとんどなくなりました。ただ、これだけでは売り上げは大きく増えませんので、次に、広告宣伝費を減らす代わりとして、取引手数料をゼロにしました。この結果、初月の取引量が3倍になり、私が着任した初めての月で、いきなり3500万円の黒字が出たんです。

当時のエピソードとして、何か心に残っていることはありますか?

奥山 取引手数料をゼロにしたとき、お客さまの一人が、インターネットの掲示板で「マネパが客のほうを向いた」、と書いてくださったんです。そのことは、今でも忘れないですね。涙が出るくらい嬉しかったです。きちんとお客さまの方を向いて、良いものを提供していけば、宣伝しなくてもお客さまはたくさん集まってくださり、たくさん取引をしていただけることをしっかりと認識することができました。

最後に、マネーパートナーズとFX業界の今後の展望について、聞かせてください。

奥山 FX業界は、今まさにターニングポイントを迎えていると思います。今後は、FX会社全体が業界を育てる気でいるかどうかにかかってくるのではないでしょうか。特に、各FX会社が顧客第一主義をきちんと貫き通さないと、良い業界にはならないと思います。マネーパートナーズの今後の展望ですが、普通の方でも企業名を知っているような、誰にでも受け入れられる企業になるためには、普通の方がFX取引を理解できる状況をより一般化する必要があると思います。言い換えれば、FX会社同士が利益を削りながら過当競争に陥ってしまうようだと、FX取引という事業規模そのものが小さくなってしまいます。マネーパートナーズがどれだけ利益を得られるか、という話ではなく、FX取引という事業がどこまで大きくなれるか、FX取引がより一般的なものにならなければいけない、より多くの方々に受け入れられなければいけないと思っています。

奥山泰全(おくやま・たいぜん)

慶応義塾大学商学部卒、マーケティング専攻。証券会社にてマーケティング・情報企画・IT戦略・コールセンター統括・経営企画・証券事業部長、ネット取引システム構築などを経て、2006年8月より株式会社マネーパートナーズ代表取締役に就任。現在は株式会社マネーパートナーズグループの代表取締役を兼務。外国為替証拠金取引(FX)、証券取引をビジネスの基盤とする。個人投資家へのサービス提供、および他金融機関への自社システム提供やASPビジネスを展開。主な著書に「株式投資入門の入門」(東洋経済新報社)、「TOP TREADERS 2004」(共著 すばる舎)などがある。