インタビュー一覧

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著者インタビュー


『本当のリーダーはどこにいる?』

ヒューマンサイエンス研究会

新刊紹介

口癖は「そもそも~」、文句が多い、失敗ばかりする――こんな社員をリーダーにする勇気のある会社があるだろうか。
次世代リーダーに必要な素質は、現状を改善する課題解決能力ではなく、既存の枠組みを突破して、ゼロベースで未来を創造する能力である。稀代の名社長予備軍は、上司に煙たがられ、問題児扱いされている、「不満分子」の中に眠っているのだ。
彼らを真のリーダーにするための最後のスイッチとは何か。
ヒューマンサイエンス研究会に「不満分子」たちの魅力と可能性を伺った。


まずは、『本当のリーダーはどこにいる?』の出版のきっかけを教えてください。

ヒューマンサイエンス研究会(以下、研究会) ビジネスの場において、次世代リーダーの選抜は喫緊の課題です。多くの企業では、現時点で優秀な社員を次世代リーダーとして抜擢していますが、うまくいっていないようです。そんな背景から、どうすればいいかと悩みを相談されたことがきっかけです。

現時点で優秀な社員の限界とは、どういうことでしょうか。

研究会 優秀な社員が高評価を受けているのは、とても狭い意味においてです。顧客やノウハウなどのレールがすでに敷かれているが現業の中で、確実に業務を遂行していくという点では、彼らはとても優れているでしょう。しかし、次世代リーダーに求められるものはそういった能力ではない。先の見えない未来を想像しながら、本質を捉えてゼロから一を作り出す力や失敗を恐れずに挑戦を続けられる力こそ、リーダーに求められているのです。優等生ではない、革新的で尖った人材こそ真のリーダーとなる可能性を秘めています。

社内の問題児、「不満分子」に注目されています。

研究会 「不満分子」には、「そもそも~」という口癖、文句が多い、失敗が多いという特徴があります。当然組織の中では扱いづらく、面倒な存在です。しかし、彼らは、非常に理想が高く、経営者の目線で本質を捉えようとしているからこそ、文句も多いし、上司に従順でもない。彼らの不満は、現状を超えていこうとする野心の表れなのです。
もちろん単に文句を言うだけでは、リーダーとは言えない。発掘すべきは、実力があり、不満を持っている人たちです。彼らこそ企業が発掘し、育成すべき「不満分子」なのです。

本書では、TIMEプログラム(ヒューマンロジック研究所が実施組織。未来のリーダーに育つ可能性を秘めた人材を発掘するためのプログラム)を通して、そのような「不満分子」が真のリーダーへと変わっていく様子が描かれていますね。

研究会 私たちが行っている、TIMEプログラムでは、社内の不満分子を選抜し、彼らに修羅場体験をさせることで、真のリーダーへと目覚めていってもらうものです。
不満分子たちは、まず何に対しても本質を捉えようとします。自分の頭で考えて、納得した上で行動するのです。言われたことを鵜呑みにしたり、前例にとらわれるのではないこのような姿勢は、新しいものを生み出すには不可欠です。
また、彼らは対立を恐れず、感想ではなく意見を述べ合います。議論を通してお互いの本音を知るからこそ、信頼関係が生まれるのです。チームが真に動き出すのは、メンバーの中で自然に役割分担がされた時です。本音の議論を経ることなく、その瞬間はやってきません。

紹介されていたTIMEプログラムの事例では、優秀社員と不満分子との仕事に対する対象的な姿が印象的でした。

研究会 TIMEプログラムでは、チームで20年後の自社の姿にふさわしい事業を提案してもらいます。もちろん将来のことはだれにも予測できませんから、現状分析を行ったうえでの課題解決というやり方では限界があります。そのことに早い段階で気が付く必要があります。
上司から期待され、幹部候補と言われる優秀社員は、現状に満足しているため、現在の枠組みや関係性を超えようとしません。例えばリーダーを決めるにしても、年齢やスキルを重視した人選が行なわれやすく、またリーダーを交代する局面であっても、そこでの人間関係を維持するために、本質的な議論が先送りされることが多いのです。こうした社員たちは、慣れ親しんだプロセスで進めるため、現状の延長として考えてしまうのです。
一方の不満分子たちは、本音の議論を経て、未来が現在の延長にないことに気が付きました。まったく新しい発想やアイデアの必要性を痛感した彼らは、ゼロベースで考えることにしたのです。このようにゼロベースで考えられることこそが、次世代リーダーの能力としてふさわしいものでしょう。

リーダーに必要なものとして、人間的魅力が挙げられています。

研究会 次世代のリーダーに必要なものは、仕事ができるかどうかよりも、何かやってくれそうな気がする、という人間的魅力にあると、私たちは考えています。というのも、ポジションが上がるにつれて、仕事は定型から非定型へと変わっていきます。効率を重視する定型の仕事と異なり、非定型の仕事には正解がないのです。その中では、何かやってくれそうな、つい注目してしまう人のほうが、将来的に可能性がありそうですよね。私たちはそのようなリーダーを期待しているのです。

最後に一言、メッセージをお願いいたします。

研究会 ビジネスの場に限らず、現在はあらゆる面において、過渡期を迎えていると思います。そこで求められるのは、間違いなく変革型のリーダーです。そしてその予備軍は、日頃煙たがられている「不満分子」たちの中にいる可能性が高い。こうした隠れた逸材を発掘することが、こうした時代を生き抜くためには急務ではないでしょうか。彼らに機会を与えることで、少しでも会社が良くなるように、また本書がそのきっかけとなってくれることを願っています。

ありがとうございました。

ヒューマンサイエンス研究会(ひゅーまんさいえんす・けんきゅうかい)

ヒューマンサイエンス研究会は、『リーダーシップ育成』のためのナチュラルラーニンを研究する研究者、実務者の組織です。
研究会座長 小林惠智(経済学博士、教育学博士、組織心理学者)宇都宮大学大学院客員教授
研究主幹 古野俊幸(株式会社ヒューマンロジック研究所代表取締役)、長谷川靖志(フェネトルパートナーズ合同会社代表パートナー)、福森哲也(STIサポート代表取締役)、蒋野かおり(ヒューマンロジック研究所シニアコンサルタント)、大宮昌治(ヒューマンロジック研究所シニアアナリスト)