インタビュー一覧

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著者インタビュー


『投資家と経営者をつなぐ実践的IR戦略 自社の時価総額を引き上げる全シナリオ』

バリューコマース株式会社 特別顧問 飯塚洋一 氏

新刊紹介

「業績が上がっているのに株価が上がらない」
「利益が上がっているのになぜ株主は当社株を売却するのか?」
そんな悩みを抱える経営者やIR担当者に向けたIR戦略の指南書『投資家と経営者をつなぐ実践的IR戦略』が発売された。経営者はIRをどのように考えるべきなのか。長年、経営者として会社の舵取りを担ってきた著者・バリューコマース株式会社特別顧問の飯塚洋一氏に、出版の背景と本書にかける思いについて伺った。


まずは、本書出版の経緯についてお聞かせください。

飯塚氏(以下、飯塚) 今年2014年3月で、私は足掛け15年にわたる役員生活を終えました。その時、「40年間のビジネスマン人生において成し遂げたことは何だったのか」という問いが頭をもたげてきたのです。改めてそのことについて考えたとき、JSATほか数社における役員生活の中で注力したIR業務に関する実績がより大きいもののように感じられたのです。IR業務は実態が捉えづらく、わかりにくいものです。重要性は叫ばれるものの、それについて発行体の関係者が詳しく解説した書籍もほとんど見当たりません。そこで、私のこれまでの体験が少しでも若い経営者の助けになればと思い、筆を執らせていただきました。

IRに取り組む上でまず意識すべき点はどのようなところにあると考えられますか。

飯塚 まず、IRとは何か、投資家が本当に求めている情報が何であるかを知り、IRの本来の目的が「株価を上げることや販売勧誘・推奨行為ではない」ということを本質的に理解することではないでしょうか。私は本書の中で、IRに欠かせないポイントとして、具体的に五つの要件を挙げさせていただきました。

本書でも紹介されている「五つの要件」について、もう一度ここで簡単に教えてください。

飯塚 第一に「わかりやすさ」、第二に「成長性と安定性の両面で安心感を与えること」、第三に「情報のスピードと鮮度」、第四に「説明責任の徹底」、そして最後に「株主還元の明示と実施」です。例えば第一のわかりやすさなどは簡単なようで実戦するのは意外と難しいことです。個人投資家の方の中には投資を検討している企業のみならず、その企業が属する業界のことについてもあまり知識がないという方が少なからずいらっしゃいます。そのため、できるだけ平易な言葉を遣い、世界並びに日本経済を踏まえて全体像を掴んでいただくようにご説明することは非常に重要です。

また、本書ではさまざまなシーンに応じた適切なIR戦略を実行する重要性が指摘されています。

飯塚 IRは、個人投資家向けなのか機関投資家(アナリスト向け)なのかといったターゲットによって、あるいは自社の置かれているステージ――安定期なのか衰退期なのかといったことによっても大きく戦略が異なります。さまざまな事例を知り、効果的なタイミングでカードを切ることが重要です。本書ではそれを7つのステージと8つのターゲットに分解して解説しました。また、本書のまとめとして経営者がIRといかに向き合うべきかについても私の考えをご説明させていただきました。

最後に一言、メッセージをお願いいたします。

飯塚 プレIPO 期からIPO期、安定成長期や衰退期、決算発表時や株主総会時など、会社のライフステージごとに、できるだけわかりやすく具体的な事例を紹介しました。トレーディングボリュームを増やし、地方や海外で知名度を高め、空売りを防御するインテリジェンスの秘密についても書かせていただきました。本書を手にとっていただいた方々にとって、少しでもお役にたてる情報が提供できていれば幸いです。

ありがとうございました。

飯塚洋一(いいづか・よういち)

1973年慶応義塾大学商学部卒。
住友商事入社、財務本部、業務本部、建設機械事業本部、メデイア事業本部に在籍。
この間フランス留学、欧州(フランス共和国パリ市)、アフリカ(象牙海岸共和国アビジャン市)、中近東(サウジアラビア王国ジェッダ市)に駐在。機械並びに電子電機の営業を経験。出張訪問国は60か国に及ぶ。
1999年プロジェクト金融部次長の後、関連会社のJSAT株式会社に転籍(現スカパーJSAT株式会社。)
同社持株会社取締役(CFO)、同社取締役執行役員副社を経て、2011年ヤフーグループのバリューコマース株式会社代表取締役社長兼最高経営責任者に就任。
現在同社特別顧問並びに株式会社シーアンドイー代表取締役社長。飯塚事務所代表。