インタビュー一覧

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著者インタビュー


『ワンカップ大関は、なぜ、トップを走り続けることができるのか?』

株式会社ダイヤモンド・ビジネス企画 取締役編集長 岡田晴彦 氏

新刊紹介

老舗酒造メーカー大関の空前の大ヒット商品『ワンカップ大関』。
「カップ酒」という新たなカテゴリーを生み、日本酒の価値観を覆したイノベーションに迫る書籍『ワンカップ大関は、なぜ、トップを走り続けることができるのか』(ダイヤモンド・ビジネス企画・編著)が発売された。
『ワンカップ大関』が築いたものは一体何だったのか、史上初のカップ酒はどのような苦労の下に開発されたのか、知られざる舞台裏を描く一冊。
本書の見どころと書籍に懸ける想いについて、編著者であるダイヤモンド・ビジネス企画編集長・岡田晴彦氏に話を伺った。


まずは出版に至った経緯について教えてください。

岡田晴彦(以下、岡田) 『ワンカップ大関』は本書が出版される2014年10月、50周年を迎えました。この2014年という年は、ちょうど東京オリンピック開催から数えて50周年にあたり、また新幹線開通からもちょうど50年を数える年。しかも今年は東京オリンピック招致に湧いた年でもありました。さまざまな偶然が符合していくこの奇跡的な盛り上がりを興味深く感じながら、時代の趨勢をうまく読み、業界に革新をもたらした『ワンカップ』という商品が、一体なぜこれほどまでに大ヒットしたかのについて紐解いていきたいと考えるようになったのです。

本書の一つのテーマとして、イノベーションという言葉が何度も語られています。

岡田 何かの文献を読んだとき、「食品三大イノベーションとは、カップヌードル、ボンカレー、ワンカップ大関である」ということをはじめて知りました。制作を進める中で、そのすべてが「容器」に対するイノベーションであったことに驚きました。そしていずれも今なお企業の屋台骨を支えるヒット商品であり続ける。これはもしかしたら、「偉大なイノベーションはやがて偉大なるマーケティングに支えられ、日本人の食生活に根づいていく」(本文より)のではないか。そんな仮説を立てるに至り、本書の大きなテーマに据えました。

『ワンカップ大関』は確かにイノベーションと呼べるものでしたか。

岡田 イノベーションとは進化や進歩の異名ではありません。既存の価値観を覆し、新しい文化を作り上げる、まったく新しいものです。カップ酒というジャンル、カテゴリーを作り上げ、「日本酒を旅先に持っていく」という発想を世間の「当たり前」にした『ワンカップ大関』は、その意味で確かにイノベーションと呼べるものなのです。

そのイノベーションを支えたのは、大関で大切にされてきた「魁精神」だと考えますか。

岡田 立ち飲み屋で見かけたカップ酒。それを面白いと考えて「徳利から脱却せよ、若い人が容器から直接飲める酒を開発せよ」と一気に商品化へ向けて走り出す強力なリーダーシップ。こぼれないキャップの開発、東京五輪を見据えた斬新なデザイン、新幹線の発展に伴い「新幹線のお供」というイメージ戦略を成功させたこと、そしてそれらの無理難題に応えていった多くの社員たち……「魁」に由来する精神なしにはやり遂げることができない偉業だっただろうと思います。

終章では三人の著名人の言葉を借りながら、主題に対する解を示しています。

岡田 一橋大学大学院教授・楠木建先生には「ワンカップ大関は本当にイノベーションだったのかどうか」という検証を、『苦役列車』で芥川賞を受賞された西村賢太先生には『ワンカップ大関』との思い出を、『あまちゃん』の演出や『サラリーマンNEO』のディレクションで知られるNHKエンタープライズ吉田照幸氏には長く愛されるために必要なことについてそれぞれお話を伺いました。いずれも味深く、多角的に『ワンカップ大関』を評価する上で、非常に貴重なお話となりました。

最後に一言、メッセージをお願いいたします。

岡田 『ワンカップ大関』はまさしく、日本酒業界のイノベーションでした。50年間愛され続ける商品のみがもつ普遍的な魅力と、何年、何十年に一度しか生まれない画期的なイノベーション。その双方を感じ取ることのできる書籍となったのではないかと思っています。

ありがとうございました。

株式会社ダイヤモンド・ビジネス企画(だいやもんど・びじねすきかく)

1960年、ダイヤモンド社に設立された『ダイヤモンド・セールス』編集部が1972年に分社化、
株式会社ダイヤモンド・セールス編集企画として設立。
2005年にソフトブレーン株式会社(東証1部上場)が資本参加し、ダイヤモンド社との合弁企業となる。
名称をダイヤモンド・ビジネス企画に変更。
2006年、月刊『ダイヤモンド・セールスマネジャー』を『ダイヤモンド・ビジョナリー』と改題。
その後メールマガジンへと媒体変更を行なう。
現在は、経営、マーケティング、営業など、幅広いビジネス領域の出版事業を展開している。
ダイヤモンド・ビジネス企画の編・著書として、『絆の翼 チームだから強い、ANAのスゴさの秘密』、『日本の営業2011 営業は知恵と情熱の格闘技! 』、『AED街角の奇跡 「勇気」が救った命の物語』などがある。


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