インタビュー一覧

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著者インタビュー


『社長ほど楽しい仕事はない』

株式会社金子コード 代表取締役社長 金子智樹 氏

新刊紹介

後継者の視点から、事業承継成功を30のヒントで導く!
事業承継に悩む経営者、後継者必読の一冊、誕生。
産業用ロボットや工作機械に使われるロボットケーブルや電源ケーブル、電線類、医療機器のカテーテルの基となるチューブ類の製造販売を展開し、創業80年を超える金子コード株式会社。
本書籍では、オーナー企業の3代目社長の視点から、自身が実践してきた、事業承継成功術を30のヒントで紹介。
書籍出版の経緯と事業承継成功の秘訣について、著者である金子コード株式会社代表取締役社長・金子智樹氏に伺った。


まずは出版に至った経緯について教えてください。

金子智樹(以下、金子) 経営者の高齢化、後継者不足を理由として、中小企業の事業継承問題は深刻化しています。経営者側からは「黒字経営の優良企業なのに、後継者がいないため、会社を廃業せざるを得ない」といった意見がでてくる一方、継ぐ側からは「社長なんて責任ばかりが重くて、何のメリットがあるんだ」といった不満がつきません。今回書籍出版に踏み切ったのは、そうした悩める経営者や後継者に、受け継ぐ側の視点から、事業承継の真実を伝えたいと思ったからです。私自身の経験を踏まえ、「社長とは何か」「承継者が会社を発展させるために何をすべきか」ということを30のヒントでまとめました。

金子社長自らの経験や体験を基に本書籍は綴られています。

金子 私自身も三代目として、祖父である初代と父である二代目から事業を承継しました。しかし私は大学を卒業すると同時に金子コードへと入社し、いちばん下の業務からこなしていく中で、金子コードの事業を学んできました。入社と同時に、経験はもちろん、知識もない中でいきなり高い役職を与えられてしまい、社員との信頼関係をうまく構築できずに悩んでいる経営者が数多くいます。
そうした事態を避けるためには、最初は特別な待遇などなしに、まずは自分の会社を知り、早い段階でから、自ら進んで事業承継と向き合うことが大切だと考えています。

三代目として事業を受け継ぐことの難しさについてお聞かせください。

金子 会社を立ち上げること、事業を引き継ぐこと、それぞれに難しさはあると言えます。例えば、創業者は生みの苦しみ、二代目は創業者と比較されるなどの批判を耐えなければならない。特に創業者と苦楽をともにしてきた古参社員の目は厳しいものではないでしょうか。一方で、三代目は創業者と二代目が築き上げてきたマーケットが成熟しきっていることや技術革新によって、業界そのものが消滅の危機にあるかもしれないという難しさを経験します。ここを苦労と捉えるか、或いは、モチベーションにするかが成功するか否かの鍵となるでしょう。

金子社長ご自身も、経常利益が大幅な赤字からの事業承継でした。

金子  私が社長に就任する2年前に、売上が大幅に減収し会社創立以来最大の赤字を計上しました。社長に就任した2005年には多少回復はしていましたが、それでもやはり順風満帆な滑り出しとはいきませんでした。なぜそうした厳しい状況の中で事業を引き継いだのか。それは単に立て直せる自信があったからということではありません。もちろん「会社を成長させたい」、「もっと利益を出したい」という気持ちはありました。しかしそれは自信ではなく、企業に対する私なりの責任感でした。

電線・医療機器の製造・販売以外にも社長ご自身の趣味がきっかけとなった、新規事業を展開していますね。

金子 私たちのように中小企業が生き残るために重要なことはいつまでも同じマーケットで大手と競い合うことではありません。自ら積極的に異業種へ参入することや、技術力を生かして海外事業を展開することで、成長を続けるための道を探すのです。ただ、闇雲に新規事業を始めればいいかというとそういうわけではありません。新規事業を始めるのであれば、「他社の追随を許さない発想」で勝負する必要があります。そこで私は趣味のワインから新規事業を考え、キャビアの生産を開始しました。結果が出るまで最低でも9年はかかります。しかし、こうした長期に及ぶプロジェクトを社員にも経験してもらうことで、企業の進化する力が磨かれ、他社の追随を許さない勝利の方程式を築きあげることができると考えています。

最後に一言、メッセージをお願いいたします。

金子 後継者は、ただ事業を受け身で引き継ぐのではなく、どれほど明確なビジョンを持って引き継ぐかによって、事業承継の成功が決まると言えるでしょう。夢や志しを示して行動する経営者のまわりには魅力ある人脈が集まり、ビジネスも人生も充実したものになります。本書が承継に悩む経営者と後継者にとって一助となれば幸いです。ります。しかし、こうした長期に及ぶプロジェクトを社員にも経験してもらうことで、企業の進化する力が磨かれ、他社の追随を許さない勝利の方程式を築きあげることができると考えています。

ありがとうございました。

金子智樹(かねこ・ともき)

青山学院大学経済学部卒業。
1990年4月 金子コード株式会社入社。
1994年 シンガポール現地法人のKANEKO(ASIA)PTE.,LTD の初代社長に就任。以来、中国生産拠点の金子電線電信(蘇州)有限公司と併せた海外事業の責任者としてグローバル営業・経営に従事。
2005年 代表取締役社長に就任。
2013年 JSAのワインエキスパート資格取得。
2014年 日中友好を願い映画『望郷の鐘』に協賛、出演。
趣味はテニス、古代史、絵画、ワイン、乗馬など。