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著者インタビュー


『「ビル」を街ごとプロデュース プロパティマネジメントが、ビルに力を与える』

三菱地所プロパティマネジメント株式会社 代表取締役社長執行役員 岩田研一 氏

新刊紹介

かつて、日本のビジネスの中心地として名を馳せながら、時代遅れの「黄昏の街」として、揶揄されるまでに凋落した丸の内。
その丸の内再生を誓い、丸ビル、新丸ビルの建て替えとともにエリア一帯を、“新しい丸の内の姿”に創造した人々、プロパティマネジメントのプロたちがいた――。
この街に活気を呼び起こした本物の「プロパティマネジメント」という仕事の全貌を明らかにする『「ビル」を街ごとプロデュース』が発刊された。
本書の見どころと出版の経緯について、著者である三菱地所プロパティマネジメント株式会社・代表取締役執行役員の岩田研一氏に話を伺った。


まずは、出版に至った経緯について教えてください。

岩田研一社長(以下、岩田) 現在、私が代表を務める三菱地所プロパティマネジメント株式会社(以下、当社)は、2014年4月に二つの会社が経営総合して誕生した新しい会社です。新しい会社とはいえ、母体となった2社はそれぞれが異なる領域を得意分野とし、長年プロパティマネジメント事業を展開してきました。
そして、経営統合してちょうど丸1年に当たる今、それぞれの事業足跡を辿りながら、お客様への想い、地道な取り組み、将来への展望を外部に発信することで、当社のマインドや姿勢を広く世の中にお伝えすることが必要だと考え、本書の出版に至りました。

横浜ランドマークタワー開業までの日々は壮絶だったようですね。

岩田 みなとみらい21エリアの再開発に伴い、当時としては日本一の高さを誇った横浜ランドマークタワーが建てられました。このランドマークタワー開業までの対応には、本当に苦慮しました。最新の技術を取り入れ、システム開発の規模は前代見聞、ほとんどの場面で前例がありませんでした。そういった意味では手探りでしたが、その後のスマートビルの先駆けとして、ランドマークタワーはひな型になったと自負しています。

東日本大震災では、自分の身よりお客様や来館者の対応を第一に考えて、全社員一丸で対応されていました。

岩田 ビルを管理する会社の務めではありますが、まず来館者を含めたビル館内のお客様の安全確保を最優先として動きました。次にビル館内の安全を確認した上で、近辺に溢れる多くの帰宅困難者を丸ビルなどに受け入れました。丸の内には遠くから訪れた観光客もあり、その方たちに安心して過ごしていただけるよう、毛布を用意し、設備を整えました。
また、当社は仙台に拠点を持ち、現地には複数の管理ビルがあります。震災のあった翌日、東京から応援部隊が向かい、仙台の社員たちと合流しました。ビルによって被災の度合いは異なりましたが、余震が続く中、一つひとつ室内を見回り、危険箇所があれば応急処置を施しました。不幸中の幸いはテナント様に人的被害がなかったことです。

丸の内再生でも重要な役割を担当されました。

岩田 かつては日本のビジネスの中心地として隆盛を極めた丸の内は、金融街だったこともあり、午後3時以降は灰色のシャッター街、そして大正~昭和期にかけて建てられたビルの老朽化が目立ち、パッとしない街になっていました。
そこで、老朽化したビルを建て替え、街の風景を一変させる「丸の内再生プロジェクト」を立ち上げ、三菱地所グループが総力を結集して取り組みました。
なかでも当社は、三菱地所本体が建てたビル周辺のエリアごと「丸の内ブランド」と捉え、輝きを放つような街づくりをしてきました。輝きといえば、冬季に丸の内仲通りで点灯するイルミネーションは当社が仕掛けたものです。おかげさまで楽しみにされているお客様が毎年多く訪れています。

ところで、岩田社長の社内コミュニケーションは、飲みニケーションだとか?

岩田 社内で飲み会の誘いがあれば、時間が許す限り参加しています。仕事では社長として厳しいことも言いますが、仕事を離れたら人間同士の触れ合いが大切だと考えるからです。社員数が増えてきた最近はなかなか難しいのですが、ここで悩みを聞いたり、落ち込んでいる様子はないかとか、社員一人ひとりのコンディションもわかると思います。

お酒が入ると、ビルに抱きついて頬ずりすることもあるとか?

岩田 私は本当にビルが好きな人間です。ビルを愛おしいと感じます。実際にはしませんが、ビルに頬ずりしたいと思うことは確かにあります(笑)。
プライベートで街を歩いていても、「ここに新しいビルが建つのか」とか、「あそこはまだテナントが埋まらないようだ」と気になるビルなどを見るたびに話題にするので、家族には半ば呆れられています。また、ビルを担当していた当時はいつも「ここが俺の死に場所だ」という気持ちで仕事に向かっていました。

最後に一言、メッセージをお願いいたします。

岩田 「変わり続けるまちなみに、変わらない信頼を。」
これは当社のスローガンですが、経営統合の際に社員たちが話し合って決めました。
プロパティマネジメントがやらなければならないのは、ビルの「付加価値を高める」こと。当社のスローガンのように、安全で清潔で快適なビル環境を保つことに加えて、ビルとその周辺地域一帯の価値を向上させるエリアマネジメントが重要だと考え、事業展開しています。特に社内には、企画からプロモーションまで一貫してエリアマネジメントを行なう専門部隊を備え、日本中に活気のあるビルや街を生み出したいと考えています。
今後も当社はプロパティマネジメント事業を通じて街づくりに取り組み、社会貢献していくことを務めとし、改めてその決意表明として本書を受け取っていただければ幸いに思います。

ありがとうございました。

岩田研一(いわた・けんいち)

三菱地所プロパティマネジメント株式会社・代表取締役社長執行役員。
三菱地所株式会社・常務執行役員。
1955(昭和30)年北海道生まれ。1979(昭和54)年、小樽商科大学商学部卒業後、三菱地所株式会社入社。経営企画部副長を経て、2004(平成16)年、株式会社東北ロイヤルパークホテル取締役社長に就任。2006(平成18)年、三菱地所株式会社へ帰任し、ビル営業部長、執行役員を経て、2011(平成23)年より三菱地所ビルマネジメント株式会社取締役社長に就任。2014(平成26)年4月、株式会社三菱地所プロパティマネジメント、三菱地所ビルマネジメント株式会社の2社の経営統合により三菱地所プロパティマネジメント株式会社が誕生。同時に代表取締役社長執行役員に就任し、現在に至る。
学生時代はラグビー部キャプテンとして活躍。ラグビーから学んだ「One for all,all for one」の精神と、ひたむきな姿勢は現在も変わらない。


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