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著者インタビュー


『上品な上質 ファミリアの考えるものづくり』

株式会社ファミリア

新刊紹介

「お受験服といえばファミリア」と言われ、老舗ベビー服メーカーとして関西地区で圧倒的な支持を得るファミリア。
ファミリアは、衿や袖、縫い目はもちろんのこと、生地や糸にまでこだわることで、創業から変わらず、高品質の製品を子どもたちに届けている。
このお洋服作りのプロ集団が、もの言えぬあかちゃんが本当に望む服や、幼い子どもたちの繊細な肌のことがきちんと考えられた服、将来を見据えて子ども服はどんなデザインがいいのかといった幅広い視点で、子ども服選びを解説した「本物を知る」ための一冊 『上品な上質』が発行された。
本書の見どころと出版の経緯について、編著者である株式会社ファミリアに話を伺った。


まずは、出版に至った経緯について教えてください。

ファミリア ファミリアは1950年に創業しました。それから時代は移り変わり、65年たって核家族化が進む今の時代、子育ての悩みを誰にも相談できずに悩んでいる方や、「考えてみたら、子どものお洋服選びについて、何が正解なのか誰も教えてくれなかった!」と思われている皆様のお役に立てればと本書の発行を決意しました。
この本は、これまでのファミリアの取り組みとともに、暮らしのベースとなる「衣食住」の「衣」の中でも特に「子ども服の本来的な意味」について改めて皆様と共に考えていくために、私たちがお洋服を作るときに意識していること、お洋服を選ぶ際にもぜひ参考にしていただきたいポイントをご紹介しています。

戦後数年でファミリアは創業しました。当時の日本に子ども服という需要はあったのですか?

ファミリア ファミリアが創業した1950年は、まだ戦後間もなく、誰もが生きることに必死だった時代です。
当時は子ども服はおろか衣料品の供給さえ十分ではありませんでした。その影響であまり質の良くない衣類が流通していたこともあり、コットン100%の純綿であれば何でも売れるという時代でもありました。
そんな中で創業者の4人が扱っていたのは、戦前から蓄えていた外国製の超一級品の生地や刺繍糸を使ったベビーウェアです。お客様を前にしながら店内で刺繍を仕上げたり、販売の傍らソックスや手袋を編みあげたり。
素材の良さと丁寧な仕事で口コミを呼び、全員が夜を徹しても製品作りが追いつかないほどの人気でした。

ファミリアの肌着は何度洗濯しても型崩れしないと評判ですね。

ファミリア ファミリアの製品づくりの合言葉は、「誰もがママの身になって作ること」です。
例えば、素材が木綿の場合は水に長時間つけて干し、アイロンをかけてから裁断、縫製を行ないます。これは、生地が縮まないようにするための工夫です。
このようなこだわりが評価され、ファミリアが創業60周年を迎えた年、当時80歳だとおっしゃるお客様から本社にこんなお電話をいただいたこともありました。
「私は55年前に子どもを産んだ者です。当時、子どものための衣類はほとんどファミリアでそろえたんですよ。これがどんなに洗濯をしても型崩れしないの。あまりに素晴らしいので、自分の子どもが結婚をして孫ができたら絶対に着せてあげようと思って、お茶の箱に入れて取っておいたんです」
ご自身でも裁縫をなさるというそのご婦人は、縫製のことも生地のことも大変褒めてくださり、その後、「うちではもう使わないから、何かに役立ててもらえれば」と、ご自宅に取ってあったという肌着やお洋服をファミリアに送ってくださったのです。
一枚一枚丁寧にたたまれ、きれいにクリーニングされ、お茶の箱に詰められた肌着やお洋服からは元の持ち主のお子様に対する深い愛情が感じられました。

子ども服が子どもの成長に与える影響はどんなことでしょうか。

ファミリア お洋服が心と身体に与える影響は非常に大きなものです。大好きなお洋服を大切にすることで優しい心や物を大切にする心を育むことができます。そして、子どもの頃からお洋服に関するマナーを覚えておけば、お洋服と社会との関わり、第三者の目といったものがどう繋がって、どのように自分への評価として返ってくるのかといったことが徐々に理解できるようになるはずです。
バランス感覚を養う意味でも、お洋服にまつわるマナーやお手入れの仕方などを教えてあげることは、とても大切なことだと思います。

スヌーピーをはじめて日本に紹介したのはファミリアですね?

ファミリア 創業者の長女がアメリカに留学していたときに新聞連載のマンガ『ピーナッツ』が人気を博していました。彼女はそこに登場する「ユーモアがあり、人間的でかわいい」スヌーピーの虜になりました。帰国する際に数冊のスヌーピーの本を持ち帰ったことがきっかけで、アメリカの版権管理会社などと契約を結び、日本での販売権を取得しました。
スヌーピーの製品は、ぬいぐるみの他、トレーナーやTシャツなどの衣料品をはじめ、バッグやタオル類といった雑貨品にも展開され、いずれもファミリアの人気商品に育っています。

最後に一言、メッセージをお願いいたします。

ファミリア 「ファミリア」という社名は、「ベビー・子ども用品を扱う以上、温かい家庭的な雰囲気を大切にしたい」という想いから名付けられました。
そして今、ファミリアの企業理念は「子どもの可能性をクリエイトする。」こと。
私たちは、すべての子どもたちがもっている可能性という未来を一緒にクリエイトしていきたいと思っています。
それは日本の子どもたちだけではありません。世界の子どもたちも含め、ファミリアはあらゆる子どもたちの可能性に触れる「本物」を発信していきたいと思います。
創造性豊かな子どもを育むために、創造力を発揮し続けること。それは、私たちにしか果たせない社会貢献だと考えているのです。

ありがとうございました。

株式会社ファミリア

1950年、戦後間もなく、坂野惇子をはじめとした4人の女性たちの手により創業。欧米のすぐれた育児法を取り入れ、当時の古い日本式育児習慣を大改革すべく、神戸に小さなベビーショップを開く。以来、「ママが子どもに注ぐ愛情」を重視し、あかちゃんの肌を思いやった、縫い目を外側に持ってくるなどのこだわりの製品作りで地元神戸を中心に発展。