インタビュー一覧

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著者インタビュー


『オルビスという方法』

株式会社ダイヤモンド・ビジネス企画 編集長 岡田晴彦

新刊紹介

4年連続で顧客満足度NO.1(※)企業に選出される偉業を成し遂げた通販化粧品メーカー、オルビス。オイルカット化粧品の開発や代金の後払いなど、業界に先駆けた取り組みの真髄を記した書籍『オルビスという方法』が発売された。
本書の見どころと書籍に懸ける思いについて、編著者である弊社編集長・岡田晴彦に話を聞いた。

※サービス産業生産性協議会が実施するJCSI(日本版顧客満足度指数)による。


まずは、出版に至った経緯について教えてください。

岡田晴彦(以下、岡田) 1987年に創立されたオルビスは、今では誰もが知る通販化粧品メーカーですが、POLAグループの一員であることが明かされたのは、創立から20年後の2006年のことです。
新規のブランドや事業を立ち上げる際にはさまざまな課題や苦労が伴うもので、一般的には、そうした困難を回避した施策が行なわれるものだと思いますが、オルビスは、POLAの知名度をまったく利用することなく、商品の品質と高いサービスだけで現在の地位を築き上げました。同社が事業を開始した当時はバブル経済の崩壊を控えており、その頃の新規事業の成功率がわずか28%だったことを考えると、ここまでの成長には驚くものがあります。驚異的な躍進を成し遂げたオルビスとはいかなる企業なのか、成長を実現した方法とはどのようなものなのか。これらを明らかにしたいという思いから執筆に至りました。

書名にもある通り、本書ではオルビス独自の方法が紹介されています。

岡田 オイルカット化粧品の開発、簡易包装の徹底、30日間は送料無料で返品可能、フリーダイヤルの導入など、業界に先んじたさまざまな施策を本書では紹介しましたが、これらの取り組みは、創業以来の「通販」という販売形態が大きく関係しています。オルビスが誕生した1980年代当時、誰もが知る超有名企業を除き、通販化粧品の評判は決して良くありませんでした。代金を支払ったにもかかわらず商品が届かない、といった被害がメディアで取り上げられたこともあり、通販に対する偏見をもつ人は少なくなかったのです。
通販という事業形態全般に対して逆風が吹く中で、顧客の信頼を勝ち得るにはどうしたらよいのか。オルビスはこの問いに対する答えを模索し続けました。その結果として生まれたものが、創業以来変わらない軸となっている「お客様視点」です。

通販だけでなく、店舗やECサイトでの販売を始めたのも「お客様視点」がきっかけとなったそうですね。

岡田 オルビスにとって店舗やECサイトは、単なる売上の上乗せ以上の意味があります。メディアとしての役割を期待しているのです。オルビスは実店舗、ECサイトをコミュニケーションの機会として位置付け、重要な顧客接点として育ててきました。
顧客からの声は「知恵の泉」と名付けられて社内で大切に保管され、判断に迷った際に立ち返るべきものとして重視されています。実店舗やECサイトの立ち上げに一役買ったのも実はこの「知恵の泉」です。
気になる商品を実際に手に取り、試してみたい――。顧客のそうした声に応えるため、「触れる」メディアとしての実店舗の開設が実現しました。通販企業による実店舗の運営というコミュニケーションの新しいあり方は、ECサイトの充実や、今日のSNS上での顧客との新たな関わりの場の創出へと繋がっていくのです。

成長を続けるオルビスですが、その秘訣はどこにあるのでしょうか。

岡田 オルビスのコアとなっているものは「誠実」、「お客様視点」、「革新」の三つです。一般に、化粧品業界には『400億円の壁』の存在が指摘されています。一ブランドの売上高が400億円で頭打ちを迎えるという意味です。これまでも数多くの化粧品メーカーがこの壁に直面してきましたが、それはオルビスにとっても例外ではありませんでした。
化粧品の開発には不可欠とされていたオイルを使用しないコスメの開発や、華美なものが当然とされていた中での簡易包装の実現など、創業以来、オルビスではそれまでの化粧品業界の常識や慣習に捉われない高い革新性が存在していました。しかし、ブランドの知名度が上がり、経営が安定するにしたがい、かつての革新性は乏しくなっていったのです。そうした「守り」の姿勢では、『400億円の壁』を越えることはできない――。当時の状況に危機感を抱き、新たな価値を生み出す「ブランド再構築」に乗り出したのが、4代目社長の町田恒雄氏、そして後に5代目社長となる阿部嘉文氏(当時:常務取締役)です。

そうして行なったブランド再構築の結果生まれた商品である「オルビスユー」は、ベストセラー商品となりました。

岡田 「オルビスユー」は、それまで若者向けのイメージが強かったオルビスが30~40代の女性たちをターゲットにして発売した商品です。売上拡大期、プロモーションとして若年層向けの雑誌に多数広告を掲載したことや、顧客満足を求めて設定した手に取りやすい価格は、いつしかオルビスが、年齢と共に「卒業するブランド」として捉えられることに繫がっていきました。実際、創業から10年以上経った2000年代初頭には、主要ターゲットである30代女性たちに「卒業」が目立つようになっていったのです。
こうした状況を打破すべく、2013年に発売したのが「オルビスユー」です。「さよなら、オルビス。よろしく、オルビスユー。」という衝撃的なコピーで以て発表された同商品は、オルビスが「若い人向けの卒業されるブランド」ではなく、ずっと使い続けることのできる商品であることを世の女性たちに知らしめる契機となりました。
そしてこの「オルビスユー」は、発売からわずか2年で同社の屋台骨を支える商品へと成長します。オルビスが真剣に取り組んできたブランド再構築とその方向性が間違っていなかったことが証明されたのです。

最後に一言、メッセージをお願いいたします

岡田 バブル期、そして「失われた10年」と呼ばれるデフレ時代を経て、日本企業は今後ますます難しい局面に立たされていくことと思います。
こうした中では、新規事業の苦戦や成功後の低迷などに直面し、それを克服することを課題としている企業が多くあるはずです。本書が、そうした課題の解決に取り組む企業の一助となれば幸いです。

ありがとうございました。

株式会社ダイヤモンド・ビジネス企画(だいやもんど・びじねすきかく)

1960年、ダイヤモンド社に設立された『ダイヤモンド・セールス』編集部が1972年に分社化、株式会社ダイヤモンド・セールス編集企画として設立。
2005年にソフトブレーン株式会社(東証1部上場)が資本参加し、ダイヤモンド社との合弁企業となる。名称をダイヤモンド・ビジネス企画に変更。
2006年、月刊『ダイヤモンド・セールスマネジャー』を『ダイヤモンド・ビジョナリー』と改題。その後メールマガジンへと媒体変更を行なう。
現在は、経営、マーケティング、営業など、幅広いビジネス領域の出版事業を展開している。ダイヤモンド・ビジネス企画の編・著書として、『絆の翼 チームだから強い、ANAのスゴさの秘密』、『日本の営業2011 営業は知恵と情熱の格闘技! 』、『AED街角の奇跡 「勇気」が救った命の物語』などがある。


著者インタビュー


『オルビスという方法』

株式会社ダイヤモンド・ビジネス企画 編集長 岡田晴彦

新刊紹介

4年連続で顧客満足度NO.1(※)企業に選出される偉業を成し遂げた通販化粧品メーカー、オルビス。オイルカット化粧品の開発や代金の後払いなど、業界に先駆けた取り組みの真髄を記した書籍『オルビスという方法』が発売された。
本書の見どころと書籍に懸ける思いについて、編著者である弊社編集長・岡田晴彦に話を聞いた。

※サービス産業生産性協議会が実施するJCSI(日本版顧客満足度指数)による。


まずは、出版に至った経緯について教えてください。

岡田晴彦(以下、岡田) 1987年に創立されたオルビスは、今では誰もが知る通販化粧品メーカーですが、POLAグループの一員であることが明かされたのは、創立から20年後の2006年のことです。
新規のブランドや事業を立ち上げる際にはさまざまな課題や苦労が伴うもので、一般的には、そうした困難を回避した施策が行なわれるものだと思いますが、オルビスは、POLAの知名度をまったく利用することなく、商品の品質と高いサービスだけで現在の地位を築き上げました。同社が事業を開始した当時はバブル経済の崩壊を控えており、その頃の新規事業の成功率がわずか28%だったことを考えると、ここまでの成長には驚くものがあります。驚異的な躍進を成し遂げたオルビスとはいかなる企業なのか、成長を実現した方法とはどのようなものなのか。これらを明らかにしたいという思いから執筆に至りました。

書名にもある通り、本書ではオルビス独自の方法が紹介されています。

岡田 オイルカット化粧品の開発、簡易包装の徹底、30日間は送料無料で返品可能、フリーダイヤルの導入など、業界に先んじたさまざまな施策を本書では紹介しましたが、これらの取り組みは、創業以来の「通販」という販売形態が大きく関係しています。オルビスが誕生した1980年代当時、誰もが知る超有名企業を除き、通販化粧品の評判は決して良くありませんでした。代金を支払ったにもかかわらず商品が届かない、といった被害がメディアで取り上げられたこともあり、通販に対する偏見をもつ人は少なくなかったのです。
通販という事業形態全般に対して逆風が吹く中で、顧客の信頼を勝ち得るにはどうしたらよいのか。オルビスはこの問いに対する答えを模索し続けました。その結果として生まれたものが、創業以来変わらない軸となっている「お客様視点」です。

通販だけでなく、店舗やECサイトでの販売を始めたのも「お客様視点」がきっかけとなったそうですね。

岡田 オルビスにとって店舗やECサイトは、単なる売上の上乗せ以上の意味があります。メディアとしての役割を期待しているのです。オルビスは実店舗、ECサイトをコミュニケーションの機会として位置付け、重要な顧客接点として育ててきました。
顧客からの声は「知恵の泉」と名付けられて社内で大切に保管され、判断に迷った際に立ち返るべきものとして重視されています。実店舗やECサイトの立ち上げに一役買ったのも実はこの「知恵の泉」です。
気になる商品を実際に手に取り、試してみたい――。顧客のそうした声に応えるため、「触れる」メディアとしての実店舗の開設が実現しました。通販企業による実店舗の運営というコミュニケーションの新しいあり方は、ECサイトの充実や、今日のSNS上での顧客との新たな関わりの場の創出へと繋がっていくのです。

成長を続けるオルビスですが、その秘訣はどこにあるのでしょうか。

岡田 オルビスのコアとなっているものは「誠実」、「お客様視点」、「革新」の三つです。一般に、化粧品業界には『400億円の壁』の存在が指摘されています。一ブランドの売上高が400億円で頭打ちを迎えるという意味です。これまでも数多くの化粧品メーカーがこの壁に直面してきましたが、それはオルビスにとっても例外ではありませんでした。
化粧品の開発には不可欠とされていたオイルを使用しないコスメの開発や、華美なものが当然とされていた中での簡易包装の実現など、創業以来、オルビスではそれまでの化粧品業界の常識や慣習に捉われない高い革新性が存在していました。しかし、ブランドの知名度が上がり、経営が安定するにしたがい、かつての革新性は乏しくなっていったのです。そうした「守り」の姿勢では、『400億円の壁』を越えることはできない――。当時の状況に危機感を抱き、新たな価値を生み出す「ブランド再構築」に乗り出したのが、4代目社長の町田恒雄氏、そして後に5代目社長となる阿部嘉文氏(当時:常務取締役)です。

そうして行なったブランド再構築の結果生まれた商品である「オルビスユー」は、ベストセラー商品となりました。

岡田 「オルビスユー」は、それまで若者向けのイメージが強かったオルビスが30~40代の女性たちをターゲットにして発売した商品です。売上拡大期、プロモーションとして若年層向けの雑誌に多数広告を掲載したことや、顧客満足を求めて設定した手に取りやすい価格は、いつしかオルビスが、年齢と共に「卒業するブランド」として捉えられることに繫がっていきました。実際、創業から10年以上経った2000年代初頭には、主要ターゲットである30代女性たちに「卒業」が目立つようになっていったのです。
こうした状況を打破すべく、2013年に発売したのが「オルビスユー」です。「さよなら、オルビス。よろしく、オルビスユー。」という衝撃的なコピーで以て発表された同商品は、オルビスが「若い人向けの卒業されるブランド」ではなく、ずっと使い続けることのできる商品であることを世の女性たちに知らしめる契機となりました。
そしてこの「オルビスユー」は、発売からわずか2年で同社の屋台骨を支える商品へと成長します。オルビスが真剣に取り組んできたブランド再構築とその方向性が間違っていなかったことが証明されたのです。

最後に一言、メッセージをお願いいたします

岡田 バブル期、そして「失われた10年」と呼ばれるデフレ時代を経て、日本企業は今後ますます難しい局面に立たされていくことと思います。
こうした中では、新規事業の苦戦や成功後の低迷などに直面し、それを克服することを課題としている企業が多くあるはずです。本書が、そうした課題の解決に取り組む企業の一助となれば幸いです。

ありがとうございました。

株式会社ダイヤモンド・ビジネス企画(だいやもんど・びじねすきかく)

1960年、ダイヤモンド社に設立された『ダイヤモンド・セールス』編集部が1972年に分社化、株式会社ダイヤモンド・セールス編集企画として設立。
2005年にソフトブレーン株式会社(東証1部上場)が資本参加し、ダイヤモンド社との合弁企業となる。名称をダイヤモンド・ビジネス企画に変更。
2006年、月刊『ダイヤモンド・セールスマネジャー』を『ダイヤモンド・ビジョナリー』と改題。その後メールマガジンへと媒体変更を行なう。
現在は、経営、マーケティング、営業など、幅広いビジネス領域の出版事業を展開している。ダイヤモンド・ビジネス企画の編・著書として、『絆の翼 チームだから強い、ANAのスゴさの秘密』、『日本の営業2011 営業は知恵と情熱の格闘技! 』、『AED街角の奇跡 「勇気」が救った命の物語』などがある。


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