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著者インタビュー


『タイヤ以外、何に触れても事故である。』

帝都自動車交通株式会社 代表取締役社長 神子田健博 氏

新刊紹介

ちょっと電車では行きにくいところに行く時や急いでいる時に頼りになるのがタクシーだ。ところで、今東京都を走っているタクシーの数がどれくらいだかわかるだろうか?
その数は約5万台。この台数からもわかるように、東京は個人・法人含めたタクシー事業者がひしめく「大激戦区」であり、生き残るには何かしらの強みが必要だ。
東京都の「タクシー大手四社」の一つ、帝都自動車交通がその難題に対して、磨いていくべき強みとして掲げたのは「安全性」だった。なぜ帝都自動車交通は「安全・安心」にこだわったのか。その答えは書籍『タイヤ以外、何に触れても事故である。』に書かれている。本書の見どころと出版の経緯について、著者である神子田健博氏に話を伺った。


――まずは出版の経緯について教えてください。

神子田健博氏(以下、神子田) お客様にとってタクシー・ハイヤーの空間は執務室であり書斎であり、あるときには応接室であり、またあるときは娯楽室でもあります。そういった役割をもつタクシー・ハイヤーは「安全で当たり前」と思われていますが、その裏には数多くの努力が隠されています。そうした努力を多くの人に知っていただきたいと考え、出版に至りました。

――貴社の「安全・安心」への強いこだわりについて教えてください。

神子田 当社の企業理念は「人と人とをつなぐ架け橋」になることであり、昭和13年の創業以来、公共交通機関として常に「安全・安心」にこだわってきました。そこで、私が社長に就任してからはそのこだわりを一歩進め、“帝都ブランド”として昇華させようと考えました。

――なぜ「安全・安心」をブランド化しようとされたのでしょうか。

神子田 私がハーバードで学んだマイケル・ポーター博士の差別化戦略から、「選ばれるタクシー企業」にはブランド化が必須だと考えました。もともと、帝都自動車交通は京成電鉄グループの一員として厳しい安全対策を行なっていましたし、戦前の乱立するタクシー会社の中で警視庁の指導で設立された経緯からも、「安全・安心」をブランドの旗頭にすることはぴったりだと思いました。

――具体的にどのような取り組みを行なっているのでしょうか。

神子田 ドライバーの睡眠時無呼吸症候群を検知する「眠りSCAN」の導入、全社員への薬物検査の徹底、また、「タイヤの接地面以外、ぶつかったらすべて事故」と事故基準を厳格に運用いたしました。結果として、2015年度には10万㎞あたりの事故発生件数0.83という異例の実績をたたき出しました。タクシーはバスと異なり、いつも同じ道を走るわけではなく、お客様を探しながら運転します。そのリスクの高さも考慮に入れると10万㎞あたりの事故発生件数0.83というのはかなり良い数字だと自負しております。

――最後に一言、メッセージをお願いいたします。

神子田 時代の変化のスピードは、日々激しさを増しています。しかし、社会の基盤を支える重要なインフラである運輸業が無くなることはありません。皆さんには本書を読んでいただき、私たちの安全・安心を守る誇りを少しでも感じ取っていただければ望外の喜びです。

ありがとうございました。

神子田 健博(みこだ・たけひろ)

帝都自動車交通株式会社 代表取締役社長
1953年1月16日生まれ。1976年東京大学経済学部卒業、1998年ハーバード大学PMD修了。
1976年株式会社日本興業銀行入行。スイス興銀社長、みずほコーポレート銀行本店営業第一部長、同行執行役員福岡営業部長、京成電鉄株式会社専務取締役を経て、2014年帝都自動車交通株式会社代表取締役社長に就任、現在に至る。


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