インタビュー一覧

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著者インタビュー


『テクノホスピタリティを世界へ』

株式会社アルメックス 代表取締役社長 馬淵将平 氏

新刊紹介

中小企業にも勝ち目はある。それを身をもって証明した株式会社アルメックス。
ブルーオーシャン市場だったラブホテル業界に乗り込み、自社の自動精算機を広め、現在ホテルや医療機関におけるシェアは現在70%を達成。今やホテル業界だけではなく、飲食、医療、アミューズメントなど、さまざまな業界でビジネスを拡大している。
中小企業であったにもかかわらず、トップのシェアを誇り、大企業に打ち勝てた要因はどこにあったのか。アルメックス50年の歴史と葛藤の日々を綴った書籍『テクノホスピタリティを世界へ』(株式会社アルメックス 代表取締役社長 馬淵将平・著)について、本書制作の経緯と込めた思いを著者に馬淵将平氏に話を伺った。


――まずは出版の経緯について教えてください。

馬淵将平氏(以下、馬淵) 当社は2016年で設立から50年を迎えました。これまでの50年は幾つもの荒波を乗り越えながら、ビジネスという大海を航海してきました。次の50年という大海へと船出する前に、一度ここで当社の波瀾万丈な歴史を振り返っておきたいと思い、今回書籍出版に至りました。

――貴社は現在、株式会社USENの完全子会社となっていますが、USENとの出会いはどのようなものだったのでしょう。

馬淵 USENといえば、いわゆる「有線放送」の音楽配信事業が主体なのですが、当時は二代目社長で現在は取締役会長の宇野康秀氏(以下、宇野会長)が2000年に社長に就任した頃から、多角化経営に舵を切っていました。同社は総合メディアカンパニーとして拡大成長を目指すということで、映画事業、映像事業、通信事業にカラオケ事業などМ&A戦略を積極的に展開して手掛けていましたが、その一つに、USENが資本参加して2006年に完全子会社化し、私が現在社長を務める自動精算機などの開発・製造・販売を行なうアルメックスもありました。アルメックスの創業者であった竹内勉社長が、ご高齢だったということあり、いわゆる事業継承で同族経営をというよりは、よいご縁があればと思っていたようで、何社かに声がかかり、そこで最終的にいちばんの好条件を出したUSENが引き取り、経営を引き継ぐ形となりました。ただ私が宇野会長と出会ったときには、USENは買収資金調達を多額の借入れで賄っていたため、バランスシートが負債過多に陥っていました。1400億円もの資金が必要となってしまった破綻寸前のUSENは、私が当時在籍していたゴールドマン・サックスに資金調達の依頼をしました。そして私は、現場であるUSENへCFOとして派遣されたのです。

――なぜ、そのような大きな窮地から逃げず、戦おうと思ったのですか?

馬淵 上からUSENの資金調達の話が来たとき、「お前が責任もってUSENに行くしかないんじゃないの?」と言われました。今思えばこれは、ゴールドマン・サックス流のトカゲのしっぽ切りでした。ゴールドマン・サックスとしては、背に腹は代えられないところまでいっていたのです。一方のUSENは上場もしているので、ゴールドマン・サックスの紐付きでは当然CFOというポジションで私を迎え入れることはできません。ゴールドマン・サックスを辞して来てくれるならと宇野会長に言われ、私は一緒に戦う決意をしました。

――本書では、貴社の主力商品である自動精算機が、業界トップのシェアを獲得していくまでの経緯が紹介されています。

馬淵 ホテルや医療機関におけるシェアは現在70%を超えています。ニッチな業界とはいえ、胸を張って「業界No.1」と言っていいと思います。当社がこれを実現できた理由は、現状のお客さまや製品をニーズの変化に合わせてリノベート(機能を変更して価値を向上させる)し続けていったことがまず大きかったのではないかと思います。ある意味では事業の前提条件ですし、これがなかったら、いくら新しいことだけをやろうとしても絵に描いた餅になってしまいます。リノベーションは安定性の追求でもありますから、短期的な戦略を行なって即自的な結果を求めるよりも、長期的に効果をもたらす事業をやらなければ意味がないのです。当社はこれを何よりも大切にしてきました。

――最後に読者へのメッセージをお願いいたします。

馬淵 私が最近感銘を受けた言葉に「We aspire to inspire before we expire.」というものがあります。海外進出の準備のために東南アジアに行ったときに、マレーシアのトップ企業の一つで大手ディベロッパーを創業したチェアマンから聞いた言葉です。「before we expire」は「賞味期限切れになる前に」と訳せ、「aspire」は「切望する」という意味、「inspire」は革新しようという意味です。
つまりもたもたしていたら賞味期限切れなってしまうので、その前に革新しようという意味だと捉えられます。私たちも賞味期限切れになる前に、自分たちで革新しなければいけません。まだまだやるべきことはたくさんありますが、どうぞアルメックスにご期待いただきますようお願い申し上げます。

ありがとうございました。

馬淵将平(まぶち・しょうへい)

1972年11月生まれ。神奈川県横浜市出身。早稲田大学卒。1995年に日本興業銀行(現・みずほ銀行)に入行し、2007年にゴールドマン・サックス証券に入社。2009年にUSEN常務執行役員CFOに就任し、2011年には同社取締役副社長に昇格した。2013年11月から現職。USEN副社長を兼任。


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