インタビュー一覧

全87件中 1〜 30件を表示

著者インタビュー


『金鳥の夏はいかにして日本の夏になったのか?』

金鳥編集部 編

新刊紹介

『亭主元気で留守がいい』、『つまらん!』など、これまで数々の名CMを世に送り出してきた“金鳥”こと大日本除虫菊株式会社。この夏、同社宣伝部が、CM誕生の舞台裏を語った書籍、『金鳥の夏はいかにして日本の夏になったのか?』(金鳥宣伝部・編)が発売された。
視聴者の期待を裏切らないCMを作り続けることができる理由、そして、CMへの強いこだわりをもつに至った背景とは? 本書の見どころと書籍に懸ける思いについて、編者である金鳥宣伝部に話を伺った。


――貴社のCMは、今や夏の風物詩といえるまでになりました。CMという切り口での書籍出版に至った経緯をお聞かせください。

金鳥宣伝部 光栄なことに、当社のCMはこれまでに数々の賞をいただいております。喜ばしいことではありますが、CMが賞をとれるかどうかは、当社にとって実はあまり大きな問題ではありません。
CMはあくまで商品を売るための手段です。そしてCMにこだわるのは、一人でも多くの方に当社の商品を使用していただきたいからです。今回、CM制作の舞台裏を描くことで皆さまの商品に対する関心を高めていただければと考え、今回の出版に至った次第です。

――マーケティング戦略として、特にCMに力を入れているのはなぜでしょうか。

金鳥宣伝部 CMの目的は、消費者の方に商品を知っていただき、最終的には購買へと繋げることです。特に当社の商品は、蚊取り線香や殺虫剤といった安価なものが中心です。こうした商品で高い売上をあげるためには、とにかく消費者の方に商品の名前を覚えていただき、店舗で手に取ってもらえる場面を増やす必要があります。そこで、幅広い層の消費者に対して商品の名前や特長を繰り返し訴えることができるCMに注力するようになりました。

――CMや広告に力を入れるきっかけとなった出来事があると伺いました。

金鳥宣伝部 明治期の創業以来、一貫して広告に力を入れてきましたが、その力を改めて実感したのは、1966年のCM『キンチョール「ルーチョンキ篇」』でのことです。内容は、人気バンド、クレイジー・キャッツのメンバーであった桜井センリさんが、「キンチョール」という商品名を「ルーチョンキ」と逆さまから読むというシンプルなものでしたが、大事な商品を逆さまに持ち、名前をメーカー自らが敢えて逆から呼んだことが話題となり、視聴者の方から大変な反響をいただきました。その年、キンチョールは前年比7倍の売上を記録したのです。その後の宣伝戦略を方向づける契機となった出来事でした。

――貴社は“まじめな会社”であると伺いました。“まじめな会社”がオモシロCMを生み出し続けることには意外性を感じます。

金鳥宣伝部 先ほども申し上げたように、消費者の方から「面白いね」と言っていただくだけでは、CMをつくった意味はありません。売上につながって初めて、CMとしての目的を果たしたといえるのです。そのため、ウケだけを狙ってCMを制作することはありません。商品名を浸透させ、一人でも多くの方に商品への関心をもってもらう。これを愚直に突き詰めた結果として、面白いと言っていただけるCMを生み出し続けられるのかもしれません。
書中のインタビューでタレントさんもおっしゃっていましたが、まじめだから、面白いことにも真剣に取り組むことができるのです。そしてそれはさらなる面白さをもたらします。ウケだけを狙わないからこそ、面白いと言っていただけるCMが生まれるのでしょう。

――貴社のCMでは、クレームを題材としたものなど“CM界のタブー”に切り込んだものも数多く存在します。

金鳥宣伝部 クレームや下ネタ系など、一般的にはタブーと考えられていることをCMにしたものも確かにありますが、宣伝部として、敢えてタブーに切り込もう、挑戦しようという意気込みをもっているわけではありません。
当社の商品は、誰もが手に取る日用品です。こうした商品を宣伝するときに求められるのは、非日常なラグジュアリーさやスマートさではなく、生活者として共感していただける身近さやリアリティなのです。テレビではタブーとされてしまうことも日常生活では普通に起こりますから、誰もが身に覚えのある、日常の“リアル”を忠実に再現しようとするほど、必然的にチャレンジングなCMに近づいていくのでしょう。

――最後に一言、メッセージをお願いいたします。

金鳥宣伝部 金鳥はこれからも品質にこだわり、自信をもって提供できる製品を作り続けてまいります。そして、我われ宣伝部は製品の特長を伝えられるCMを作り続けます。新しい製品とCMを楽しみにしていただきつつ、本書を手にとって過去の金鳥の物語もお楽しみいただき、快適な夏をお過ごしいただけると幸いです。

ありがとうございました。

金鳥宣伝部

金鳥宣伝部のある大日本除虫菊株式会社は、日本で除虫菊栽培の普及に努め渦巻型蚊取り線香を発明し世界中に広めた。家庭用殺虫剤、衣料用防虫剤、家庭用洗浄剤、防疫用殺虫剤などの製造および販売を行ない「金鳥」、「KINCHO」の商標名で知られる。企業スローガンは「昔も今も品質一番」。


この内容で送信します。よろしいですか?