インタビュー一覧

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著者インタビュー


『日本流イノベーション』

吉村慎吾 著

A.I.、IoT、ビッグデータ、ロボットをフル活用した第四次産業革命が始まっている。この変革の中では、もう従来のビジネスの成功セオリーが通用しない。そう、ただ単に「良いものを作れば売れる」時代は終わってしまったのだ。しかし、日本企業の大半は、いまだその幻想に取りつかれている。このままでは、日本はまた世界から取り残されてしまうだろう。
では、ビジネスを取り巻く環境が激変する中、勝ち残るためにはどうすればいいのか。日本が世界に遅れをとらないための、日本人と日本企業の特性を活かしたイノベーションとその成功方程式がつまった『日本流イノベーション』が発売された。
著者は、論理優先とは一線を画す実効性の高いコンサルティングにより数百社の変革を支援してきた、イノベーション創出支援コンサルティングファーム、株式会社ワークハピネス社長の吉村氏。今回は、出版の経緯や本書の見どころについて、お話を伺った。


――まずは出版の経緯について教えてください。

吉村氏(以下、吉村) かつて一億総中流といわれていた日本は、現在、富裕層と貧困層の格差社会へと向かっています。世界第2位だった経済力も2010年に中国に抜かれて3位に転落しました。
明日の日本を背負う若者の意識も著しく変化しています。2015年末の『ニューズウィーク』誌の見出しは、「世界でもっとも起業家精神が低いのは日本の若者」となっています。果たして、こんな体たらくの日本は第四次産業革命の好機を捉えて復活できるのだろうか?と一抹の不安を覚えます。
それでも私は、日本人と日本企業の特性を活かせば、このチャンスを逃さずに必ず復活できると確信しています。そのためには未来のイノベーターを育てなければならない。そこで、イノベーションを起こすために必要な「今世界で何が起きているのか」、「日本はどこへ向かうべきなのか」、「一人一人は何をなせばよいのか」をすべて記したくて、今回出版を決意しました。

――日本の特性とはどのようなものでしょうか。

吉村 幸いなことに私たちは世界中のどの国も経験したことのない少子高齢化社会を進んでいる課題先進国です。つまり、ソリューションビジネスの生まれる宝の山の中に住んでいるのです。日本で、AIやロボットを駆使したサービス産業の生産性向上に取り掛かり、A.I.、IoT、ビッグデータ、ロボット、3Dプリンターといった第四次産業革命の汎用技術を他国に先んじて徹底活用すれば、労働人口の減少を補って生産量(GDP)を増大させることが可能です。2050年には世界中のすべての国が少子高齢化すると言われています。課題先進国日本が先んじて生み出したイノベーションが世界に輸出されて世界を救うことになると思うのです。課題が山積みであることは、いまはマイナスでもそれは日本の特性でもあり将来のプラスになり得るものだと思うのです。

――具体的にはどのようなイノベーションが考えられると思いますか。

吉村 日本の企業が行なわなければならないのものとして、私は3つのイノベーションを提案します。「生産性イノベーション」、「社会課題解決イノベーション」そして「自己実現支援イノベーション」です。「生産性イノベーション」とは、AIなどのあらゆる技術を使って労働生産性に革命をもたらすこと。「社会課題解決イノベーション」とは、将来の生活の不安を取り除くソリューションを発見すること。そして「自己実現支援イノベーション」とは、テクノロジーを駆使して自己実現をめざす側とそれを支援する側との最適なマッチングを探ることです。この3本柱を世界に先んじて行なうことで、日本は必ずや復活できると信じています。

――最後に一言、メッセージをお願いいたします。

吉村 変化の激しい時代を楽しく生きるコツは、変化を起こす側に回ることだと思います。
変化に翻弄される人生は最悪です。毎日周囲の環境変化にドキドキ、ハラハラ、気が休まる時がありません。私が以前やっていた会計士という仕事はAIに取って代わられる仕事の筆頭です。もし今も公認会計士を続けていたら、週末に駒沢公園をジョギングして「日本は平和だな〜」と思いながらも、未来に対する漠然とした恐怖で心はざわざわ落ち着かなかったでしょう。変化を起こす側に回ると決めた今、私は毎日ワクワクしています。世界で何が起きているか?これから何が起きるか?知ってしまったら、あとは攻めるか、逃げるか、決断するだけです。本書を手に取ってくれた人がいつか、変化を起こす側の先頭に立って、ワクワクした人生を過ごせることを願っています。

ありがとうございました。

吉村慎吾(よしむら・しんご)

株式会社ワークハピネス 代表取締役社長
早稲田大学政治経済学部卒
世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて公認会計士として活躍し、世界最年少マネジャー記録を更新、世界初の日米同時株式公開を手掛ける。途中、日本証券業協会店頭登録審査部(現・JASDAQ上場審査部)上場審査官として多くの企業の上場審査も行なう。1999年12月、企業変革支援アウトソーサーである株式会社エスプールを設立。100年の伝統ある老舗ホテルの20年続いた連続赤字を1年でV字回復、水耕栽培農業を活用した障がい者雇用支援サービスの立ち上げなど、数々のイノベーションを起こし、2006年2月に株式上場へと導く。同年4月、イノベーション創出支援コンサルティングファームである株式会社ワークハピネスを設立。論理優先とは一線を画す実効性の高いコンサルティングにより数百社の変革を支援。著書『イノベーターズ 革新的価値創造者たち』(ダイヤモンド社・2014年)は、日本経済新聞ビジネス書ランキング1位、日本図書館協会選定図書に選ばれ、多数の企業で「次世代幹部育成の課題図書」として扱われている。


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