インタビュー一覧

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著者インタビュー


VRインパクト

株式会社フォーラムエイト 代表取締役社長 伊藤裕二 [著]

 自動運転、AI、ビッグデータ……世界で注目される先端技術領域ではソフトウェア産業の重要性が高まっている。しかし日本においても同じことは言えるのだろうか。エンジニアたちは製品の「価値」をタダ同然にしながらも、「死の行進」を続けている。このままでは世界という市場から日本は取り残されてしまうだろう。
 日本のソフトウェア産業の地位を憂う中小企業が、世界へと挑む軌跡を追った書籍『VRインパクト』が発売された。
 著者は、土木設計ソフトのパッケージ開発から始まり、今やVR技術で国内産業をリードする株式会社フォーラムエイト社長の伊藤氏。今回は、出版の経緯や本書の見どころについて、お話を伺った。


――まずは出版の経緯について教えてください。

伊藤氏(以下、伊藤)我が国を技術大国と呼ぶことがありますが、日本のお家芸であったIT技術やソフトウェア開発分野において、今では世界的な競争力を失いつつあることをご存知でしょうか。悲しいことですが、国内からアップル社やマイクロソフト社のような、世界中で利用される製品を提供する企業が現れていないのが現実です。
 日本のソフトウェア産業が伸び悩む理由は諸説ありますが、私は「日本におけるソフトウェアの地位が決定的に低い」ことが理由だと考えています。元来日本人は汗を流し、形あるものをつくることに喜びを感じる傾向にあります。そのため形のないもので効率的な作業を助けるソフトウェアの開発は軽んじられてきました。近年ではこうした状況も改善されつつありますが、ソフトウェア産業の社会的地位は未だに低いままです。
 この状況を打破するため、多くの方に現状を把握していただき、我われがこれから何をすべきなのかを一緒に考えていただきたいと思い、今回の出版に踏み切りました。

――ソフトウェア産業の地位向上のためにフォーラムエイトでは何をされていますか。

伊藤 人を育てる、ということに重きを置いています。よく「3K」などという言葉で忌避されてきた職種がありますが、ソフトウェア産業は「5K」、「6K」とも言われ、優秀な人材が定着しないという大きな問題を抱えていました。
 我われが世界的な競争力を養っていくためには、若手が1日でも早く優秀な人材になり、1日でも長く働いてもらうことが重要になります。そこで社員の育成に力を入れ、国外でも通じる人材に育てるための施策を工夫しています。
 弊社で働く技術志向の若手エンジニアたちはコミュニケーション能力に難がありました。そこで挨拶をはじめとした本当に基礎的な教育から、複数の企業に社内研修をお願いするなど、多角的な施策を取っております。
 弊社が力を入れているVRという最先端技術を発展させていくためには、若い人たちの力が必要不可欠です。そうした方々にはぜひ本書を教材とし、ソフトウェアの開発について考えていただきたいですね。

――VRの魅力について教えてください。

伊藤 限りなく現実に近い“仮想現実”を疑似体験できることは大きな魅力だと考えます。
 また一方で、風を「見える化」したり、脳波で車の運転を制御したり、鳥のように空を飛ぶことだってできる。現実には不可能に思えることも、“仮想現実”なら不可能ではないのです。
 本書では弊社のソフトウェア「UC-win/Road」を活用したVR事業について、誰もが知るような大企業の方々にお話を伺い、事例として紹介しております。
 自動運転や土木設計の現場での技術革新を支えるツールとして、弊社のソフトウェアが利用されていることは大変光栄なことです。また、中国やアメリカでも「UC-win/Road」は活用されています。これも「リアルタイムで現実を再現できる」VRの魅力を最大限引き出したことで、評価されたのだと自負しています。
 このような世界に評価される先進技術を開発できること、これもまたVR産業に携わる者として感じる魅力です。

――最後に一言、メッセージをお願いいたします。

伊藤 VRをとりまく技術はまさに日進月歩の様相を呈しています。本書では世界で活用される弊社の製品導入事例を紹介しておりますが、これは日本が世界より勝っていることを示すものではありません。もちろん我われは世界という市場で戦うための努力をしていますが、中小企業である弊社の挑戦だけでは日本のソフトウェア産業は衰退してしまうでしょう。
 我われは日本というフィールドから世界へ羽ばたくエンジニアを求め続けています。本書を読んでいただいた方々には、フォーラムエイトの歴史を通して、VRの世界を“疑似体験”していただけるかと思います。この経験から少しでもVRという技術に興味をもっていただけたなら、これに勝る喜びはありません。
 願わくば、そこから一歩踏み出して、VRという製品・サービスを提供するエンジニア、営業パーソンとして活躍していただきたい。そして世界に挑戦しているのはあなただけではなく、我われも戦っているのだということを、ときどき思い出してください。

――ありがとうございました。

株式会社ダイヤモンド・ビジネス企画

1960年、ダイヤモンド社に設立された『ダイヤモンド・セールス』編集部が1972年に分社化、株式会社ダイヤモンド・セールス編集企画として設立。2005年にソフトブレーン株式会社(東証第1部上場)が資本参加し、ダイヤモンド社との合弁企業となる。名称をダイヤモンド・ビジネス企画に変更。2006年、月刊『ダイヤモンド・セールスマネジャー』を『ダイヤモンド・ビジョナリー』と改題。その後メールマガジンへと媒体変更を行なう。
現在は、経営、マーケティング、営業など、幅広いビジネス領域の出版事業を展開している。ダイヤモンド・ビジネス企画の編・著書として、『AED 街角の奇跡 「勇気」が救った命の物語』、『オルビスという方法 顧客満足を生み出し続けるビジネスモデルは、こうして創られた』、『手綱、繋がる思い 馬は体と心のセラピスト』、『スマホで撮った写真を素敵な思い出に変える5つの魔法』などがある。


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