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著者インタビュー


『水道事業の経営改革』

地下誠二[監修] 日本政策投資銀行 地域企画部[編著]

 日本では国・地方ともに厳しい財政状況および人口減少の中で、老朽化した公共施設やインフラの再構築が喫緊の課題となっている。我々の生活に不可欠な基盤インフラである水道事業も例外ではない。
 給水人口の減少、巨額の維持更新投資、高い有利子負債の水準、職員の高齢化・技術承継の問題──。複合的な課題を抱えた日本の水道事業に対して、編著者が近年実施してきた調査・検討内容を紐解きながら、経営改革の道筋を探る『水道事業の経営改革』が発売された。
 編著者は地域課題解決や地域活性化・地域創生へ向けて、国や地方公共団体、民間事業者、地域金融機関等と連携・協働しつつ、交流人口の増加、地域資源の有効活用、官民連携(PPP/PFI)といった切り口から、各種調査・情報発信・提言やプロジェクト・メイキング支援などに幅広く取り組んでいる日本政策投資銀行地域企画部。今回の出版の経緯や本書の見どころについてお話を伺った。


──まずは出版に至った経緯について教えてください。

日本政策投資銀行 地域企画部 水道は、電気、ガスなどとともに我々の生活に不可欠な基盤インフラです。これまで、水道以外のエネルギー産業では、将来の人口減少に伴う売上減を見据え、エネルギーの高カロリー化やコスト削減、また合併による規模の経済の追求等、さまざまな課題解決に取り組んできました。しかしながら、水道事業は公営ということもあり、千数百の事業者が統合も難しいまま現在に至っているなど、民間の電力・ガス等事業に比べ、課題解決に向けた対応が相当程度後手に回っている状況です。
 そのような我が国の水道事業について、弊行が近年実施してきた最新の調査・検討内容を中心に取りまとめ、警笛を鳴らす一助になればと考えたのです。

──水道事業における経営改革のポイントとなる点は何でしょう。

日本政策投資銀行 地域企画部 全国1,300超にも及ぶ多くの公営事業者が、各種課題に対して個々別々に対応に当たるのは明らかに限界があります。課題解決の大きな方向性としては、まず広域化、そして2点目に官民連携を挙げることができ、これらを効果的・効率的に推進することによって、料金値上げ等による地域の負担を少しでも抑制していくことが重要と言えます。
 ただ、広域化については、全国各地でさまざまな先導的取り組みも行われていますが、一方で料金格差や財政状況格差などがネックとなり、一般的に「行政レベルでの広域化」はなかなか進みづらいことも事実です。
 以上の状況も踏まえると、我が国の水道事業の課題解決を、できるところから着実に、かつスピード感をもって推進するためには、「官民連携を通じて実質的な広域化を実現していく」、「実質的な広域化を実現するための手法として官民連携を活用していく」視点が、1つのポイントと言えるのではないでしょうか。

──貴著の概要を教えてください。

日本政策投資銀行 地域企画部 我が国水道事業の現状・課題、成り行きモデルによる将来経営シミュレーション実施を踏まえた上で、課題解決の処方箋としての広域化・官民連携(PPP/PFI)へと検討を進めています。
 また、弊行では、2016年度から内閣府等との協働により、政府の「日本再興戦略2016」にも位置付けられる取り組みとして、「フランス・英国の水道分野における官民連携制度と事例の最新動向について」の調査・公表を実施していますので、官民連携先進国といわれる両国の取り組み状況等について概観した上で、我が国の水道事業の海外展開の課題等についても併せて考察しています。  また、補章を4章設け、水道事業の多面的な経営分析や公営事業者へのアンケート結果を踏まえた考察などについても詳しく触れています。

──最後に一言、メッセージをお願いいたします。

日本政策投資銀行 地域企画部 水道事業をはじめとする各種公共インフラ分野の課題解決は待ったなしであり、さまざまな構造改革なども近い将来に行われるものと考えられます。弊行は、本書にとどまらず、今後もインフラ分野の課題解決へ向け、各種調査・情報発信・政策提言や各地域へのコンサルテーション・アドバイザリー、先導的プロジェクトへのリスクマネー供給など、さまざまな形で継続的に貢献していきたいと考えています。

――ありがとうございました。

日本政策投資銀行 地域企画部

 地域課題解決や地域活性化・地域創生へ向けて、国や地方公共団体、民間事業者、地域金融機関等と連携・協働しつつ、交流人口の増加、地域資源の有効活用、官民連携(PPP/PFI)といった切り口から、各種調査・情報発信・提言やプロジェクト・メイキング支援などに幅広く取り組んでいる。


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