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著者インタビュー


『歓喜のホスピタリティ・マネジメント 「おもてなし」大国ニッポンが陥るサービスの落とし穴』

株式会社JTBコーポレートソリューションズ

新刊紹介

モノと情報が溢れる社会となって久しい時代。
この店でしか買えない、この企業でしか提供されない商品・サービスは存在しなくなり、「薄利多売で安く」売るか、「高付加価値で高く」売るかに二極化している。
そして自社の「強み」、「差別化戦略」を模索する企業が増えているのも事実だ。
書籍『歓喜のホスピタリティ・マネジメント』(JTBコーポレートソリューションズ・編著)では、「ホスピタリティ」こそが、これからの事業戦略のスタンダードとなることを多くのデータとともに、導入事例から裏付ける。そして、「ホスピタリティ」を社内に定着させるためのマネジメントの実践的マニュアルとして、どんな業種の企業にも活用できるよう解説している。
本書の見どころと出版の経緯について、編著者である株式会社JTBコーポレートソリューションズに話を伺った。


まずは、出版に至った経緯について教えてください。

株式会社JTBコーポレートソリューションズ(以下、JTBc) 私たち株式会社JTBコーポレートソリューションズは、株式会社ジェイティービー(JTB)が経営体制を変更したのに伴い、ソリューション事業部門を分社化・独立し、誕生しました。ジェイティービー本社時代のノウハウと、蓄積をもとに法人向けのソリューション事業を展開しています。
なかでもクライアントに対して、従業員のお客様サービスの質を高めるホスピタリティ・マネジメントのコンサルテーションを行なっていくうちに、「ホスピタリティ」は業態・業種問わず導入されなければならないものと強く感じました。
その理由のひとつとして「ホスピタリティ」という言葉から想起されるサービス業以外の企業・団体からの相談が、年を追うごとに多くなったことがあります。役所や病院などからのオファーもありました。
また、大手家電量販店などは、極端にいえば以前は安さだけが求められていた。しかし近年、この最大の強みは購入の決定打にならず、いくら安くしてもお客様は離れていき、売上は下がっていった。それはつまり、ここで買いたいと思うお客様の動機が必要な時代であり、その動機の源となるものが「ホスピタリティ」だったのです。これは、25の業態・業種でコンサルティングを行なってきた我われJTBcが確信を持っていえることでした。
このことから、「ホスピタリティの原則」と「ホスピタリティ・マネジメント」の普及こそが、デフレ下での差別化に失敗し、苦しんできた企業の助けとなると確信し、本書を出版するに至りました。

「ホスピタリティ」とは、とても良いサービスのことでしょうか。

JTBc 「ホスピタリティ」は、レベルの高いサービスではありません。わかりやすく語源から説明すると、義務的に奉仕する行動が「サービス」で、「ホスピタリティ」は相手に喜んでもらいたいと心から行なう、相手の期待を上回る行動のことです。日本語では、「おもてなし」に当たる行動でしょうか。大事なのは行動そのものというより、相手の期待・満足を超えた、喜びや感動を届けることなのです。

本書では「ホスピタリティ」で売上を上げることができるといっています。 「ホスピタリティ」という目に見えないことで売上は上がるのでしょうか。

JTBc 「ホスピタリティ」は直接、お客様と接点がある従業員だけが取り組むものではなく、必ず組織全体、全従業員で確実に取り組むべきものです。これにより対面での好感体験だけでなく、組織全体の価値が底上げされ、お客様はその企業を信頼し、評価し、ファン(贔屓客)になる。ファンになったお客様自身の購買行動はもちろん、商品やサービスを周囲に勧めたり、紹介したりして新しいお客様も連れてきてくれる。このことが長期的に売上に貢献するのです。

一方で、費用を掛けてCS(顧客満足)対策に取り組んだにもかかわらず、 まったく売上には貢献しなかったと嘆く経営者もいます。

JTBc CS対策とは「サービス面における顧客満足度向上のための活動」です。いまやどの企業も取り組んでいることです。つまり、お客様の満足するサービスを企業が提供することは当たり前となり、この対策だけでは売上向上にはつながりません。どこの企業も取り組んでいるからです。だからこそ、「ホスピタリティ」――競合他社と圧倒的な差別化をもたらし、お客様に「感動」を届ける――が必要なのです。しかし、CS対策が無駄といっているのではありません。CS対策をしっかり行なっているからこそ、ホスピタリティによってファン(贔屓客)が増え、長期的な売上、利益の増加につながるからです。

アルバイトも含めた全従業員のホスピタリティ・レベルを上げることは可能なのでしょうか。

JTBc 先ほども述べましたが、ホスピタリティに取り組むのは経営層、アルバイトにかかわらず企業全体で行なうことが重要です。
もちろんアルバイトにおいても高いホスピタリティを発揮することは可能です。そのためには、モチベーション、適職感が重要となります。本書では企業に定着させるために、導入からステップを踏んでホスピタリティ・マネジメントの実践手法を惜しみなく書かせていただきました。

最後に一言、メッセージをお願いいたします。

JTBc 「ジェイティービー」というと、国内・海外旅行をアレンジする旅行会社、記憶に残る感動的な旅行をサポートする旅行会社とイメージするかもしれません。つまり、「ホスピタリティ」の原点は、この「記憶に残る」を提供することだと思います。 我われJTBcが豊富なデータをもって、日本におけるホスピタリティを分析・体系化し、コンサルティングを行なった多くの企業に提供してきたホスピタリティの原則、ホスピタリティ・マネジメントの実践手法を本書ではご紹介しました。 本書がきっかけで日本中にホスピタリティが普及し、すべての企業がホスピタリティ企業になる一助となれば幸いです。

ありがとうございました。

株式会社JTBコーポレートソリューションズ

2006年4月に株式会社ジェイティービー(JTB)が経営体制を変更し、事業持株会社化したのに伴い、1年間の移行期間を置いて、同社の旧ソリューション事業部が2007年4月に分社、独立。
株式会社ジェイティービー本体時代に開発、展開してきた複数の事業をそのまま継承し、現在、法人向けのITソリューション、およびマーケティング&HRソリューション事業を行なっている。