インタビュー一覧

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著者インタビュー


『人材教育、こうすれば、やめない、つづく、成長する。』

大西昌宏 著

現在、従来型の理容室や美容室のビジネスモデルの崩壊が叫ばれている。その理由は、店舗数が多過ぎることと理容師・美容師の不足である。全国の理容室・美容室数はコンビニエンスストアが約6万軒なのに対し美容室は24万軒、理容室は12万軒もある。
人材不足で苦しむ理美容業界では異例の、230店舗を超える多店舗展開に成功した株式会社リビアス。創業者であり、社長の大西昌宏氏に、社員教育や働きやすい職場づくりなど、出版の経緯や本書の見どころとともに、お話を伺った。


――まずは出版の経緯について教えてください。

大西昌宏氏(以下、大西) 理美容業界に限らず、サービス業をはじめとする企業を支えるのは、何といっても「人」です。人の採用と育成が、ビジネスの成否を分けると言っても過言ではないでしょう。
会社を大きくすることと、売上を伸ばすこと、そして人材を育成することは、同じ線上にあることだと私は思っています。
この本では、その人材教育を成功させる仕組みと、これまで私が経営者として実行してきたノウハウを皆さんにお伝えしたいと思っています。
同じ業界だけではなく、サービス業をはじめとする、いろいろな業界の方にも参考にしていただけるのではないかと思います。また、就職活動中の学生の方にも読んでいただき、世の中にはいろいろな会社があるのだと知っていただくための糧にしていただければ幸いです。

――社員教育を徹底されるようになったきっかけをお聞かせください。

大西 女性のための顔剃り専門店「ビューティーフェイス」がヒットし、小さな店舗を関西だけではなく、名古屋や東京にも出店するようになりました。いい場所に出店させていただけるので、集客は順調。求人募集をすれば、人材も確保できました。
その一方で、関西にある店舗のようにこまめに顔をだすことができず、名古屋や東京の店舗はパートナーにほとんど任せたままの状態になってしまいました。すると、次第にパートナー同士で揉めることが増え、最終的には退社するパートナーまで出てきました。店の雰囲気がどんどん悪くなり、お客様からの印象もよくなかったと思います。
そんな時に出会ったのが、株式会社武蔵野の小山昇社長でした。小山社長から「人の成長なくして企業の成長なし」、「社員教育にお金を使わずに潰れていった会社はごまんとあるけれども、社員教育にお金を使いすぎて潰れた会社はない」と聞き、大いに共感しました。
武蔵野で教わった「環境整備」を導入し、価値観教育と理念経営を重視した経営をめざし始めたら、だんだん会社がよくなっていきました。
この時期に、武蔵野や小山社長に出会えたことは、本当に幸運だったと思います。

――貴社で行なわれている3つの社員教育についてお聞かせください。

大西 1つは、「専門教育」です。店ですぐに役立つ技術に、知識、接客も専門教育です。技術については、教育しなければ競合店に負けてしまうので、絶対に必要です。理美容業界では、社員教育と言えば、だいたいこの専門教育がほとんどで、教育=専門教育が普通です。
2つめは「マネージメント教育」です。数字や売上向上を含めた運営面の教育です。日頃から数字について考えるよう徹底しています。
そして3つめが「価値観教育」です。当社の場合、「専門教育」と「マネージメント教育」が社員教育の3割。残りの7割は、「組織的価値観の共有」についての教育で、これを最も大切にしています。なぜなら、専門教育やマネージメント教育は、カリスマ美容師がいる美容室や、もっと高度な技術を教えられるところはたくさんありますから、高い技術を身に付けたい人は、そちらの会社に転職したくなります。
しかし、価値観教育はその会社だけのものです。価値観を共有できれば、会社のことを好きになります。会社を好きになれば、会社のことを一生懸命に考え、共に成長したいと考えるようになります。
多店舗展開が本格的になり、社員も増えてきたことで、こうした価値観教育を中心に組織としての仕組みを整えてきました。

――最後に一言、メッセージをお願いいたします。

大西 人の縁とは、本当に不思議なものです。どういう人たちと一緒にいるかで、人生は変わっていきます。
どんな時代であっても、企業にとって「人」が大事であること、そしてパートナーが価値観を共有することこそが、強い組織をつくることに変わりはないと思います。
この本を最後まで読んでくださった皆さんとの縁ができたことに感謝します。当社の業態に興味をもっていただいた方、また学生の方でリビアスに興味をもっていただいた方、この縁がどこかで繫がっていることを願っています。

ありがとうございました。

大西昌宏(おおにし・まさひろ)

1965 年大阪生まれ。関西学院大学卒。24 歳で父の経営する理髪店に就職。多店舗化、海外進出、理髪店の企業化を目標に28 歳で独立。2011 年に社名を「リビアス」と改称。理美容総合ビジネス企業として現在8 業態21 ブランドに増え、また上海、香港にも出店を果たす。グループ店舗数は2018 年2 月15 日現在、237 店舗、社員数500 名まで成長。今後は多店舗化のスピードアップを図るとともに、全世界への店舗展開をめざす。
著書に、『床屋を企業に変えた小さな店を出し続ける戦略』(現代書林、2014 年)、『大西昌宏の学生道 これから働く君たちへ』(ザメディアジョン、2016 年)がある。